北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしの観察レポート‼︎

カイリばあちゃん

十勝はすっかり秋の空~

夕立のようなどしゃ降りの雨が続いて、

せっかくの気持ちの良い朝の芝生はベチャベチャ。

そして、湿気のせいか、虫が多い気がします。

庭の真ん中のシンボルツリーの楡の木の葉も、

何者かに取り憑かれて赤茶けている部分がたくさん。

何かの幼虫がいると踏んでます。

下に咲く、ジニアがその虫の糞の害で斑点が出ていることに気づきました。

なんか、今年は植物の葉の部分的な枯れが多くて謎だったんだけど、

きっとそのせいだと判明。

虫の大発生にはサイクルがあるらしいんですが、今年は蝶々や蛾がすごく多いです。


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気ばかり焦り、秋の植え付けが進みません!ニンバス助けて!

 

 

あら、やだやだ、カイリばあちゃんの近況を書こうと思ったのに、蛾の話になっちゃった。

 

さて。

 

カイリは今年の6月で15歳になりました。

耳はほとんど聞こえていない様ですが、

目はまだ見えているようです。

 

去年の春に、前庭障害が起き、

意に反してくるくると旋回してしまう症状がでました。

そこから、その症状は少しだけ残る程度に回復し、持ち直してきました。

ヨタヨタ歩きと回転はあるものの、

よく食べよく眠り、最近まではゆっくりと穏やかに暮らしていました。


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ところが、ここ1週間ほどの間に、

後ろ脚で立ちあがれなくなりました。

と、同時に頭と首の巻き込みと

脚をばたつかせ宙を搔く動きが激しくなってきました。

 

寝ていても起きていても、

意に反して頭と首が右側に曲がってしまい、

何もしないと頭部が背骨を超えるほど捻れてしまいます。

ひどい時には、背骨を軸にしてグルンと回ってしまい、

そして脚はひたすら宙を搔く。

その時、よく見ると全身の痙攣も起こっています。

立ちたいから手足をばたつかせているのかと思いきや、

これは痙攣の一種で、遊泳運動と言うそうです。

だから、自分でも止められない。

そうやってひとしきり身体がバタバタし、

体力的に限界が来たらグッタリ、

やっと一連の発作が終わります。

 

これでは穏やかな余生もへったくれもない。

とても辛そうで、急いで病院へ連れて行きました。

 

先生曰く、脳の中になにか良からぬものがあるのだろうと言う事でした。

痴呆でも旋回はするけれど、ここまで酷くはなりませんと。

色々とインターネットで調べて情報が集められる今日、

この診断については予想していたので、

さほどショックは受けませんでした。

 

知りたかったのは、それを治す方法ではなく、

カイリがもっと楽に、ずっとずっと最期のその瞬間まで、

できるだけ穏やかに過ごせるように私が出来ることは何かと言う事。

そして、現時点で痛みや苦しみがあるのかどうかという事。

 

先生はすぐに察してくださったようで、

これからをもっと楽に過ごすには、

脱水症状を防いで内蔵機能を高めてあげること。

抗癲癇薬を少しずつ使って、痙攣発作の頻度を下げること。

そして、床ずれを防ぐこと。

と教えてくれました。

 

床ずれは、場合によってはそれが原因で

死に至ると聞いたことがあり、対策はしていました。

脱水症状に関しては、口から水分を摂るだけでは足りないので、

自宅で点滴をしてみますか?との提案もあり、やってみることに。

薬は、頼みの綱。頼るほかなし。

1日3回の投薬で様子を見ます。

また、今の時点では、首の曲がりや回転、

痙攣などの時に痛みを感じているわけでは無く、

ただ身体が勝手に動いてしまうと説明も受けました。

 

そして、話の中で先生はさらっと、

これから先、どこまで頑張らせるのかを、

考えておくといいかも知れませんね、と口にしました。

 

ズキンと胸が痛んだけれど、

そっか、今のカイリは先生もそう考える状態にあるんだな、

と理解しました。

 

15年も一緒に生きてきた。

気持ちよく寝られず、食べられず、

意識朦朧としながら苦痛や痛みに耐える、

そんな状態になってまで生きて欲しいと願う気持ちは

私には全くありません。

 

ブリーダーさんのところで産まれて

3ヶ月でやってきたその時から、私の手に委ねられた命。

最期まで、カイリが穏やかに暮らせるような、

生活の質(QOL)をできる限り保っていくこと。

このことに関しては絶対に妥協したくないのです。

 
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 (点滴中のカイリ。夫に抱かれてスヤスヤ)

 

 

ところで、カイリが小さい時からお世話になっているその動物病院は、

私が大学生の頃、住んでいたアパートの近くにあります。

病院ついでに、若い頃のカイリとよく遊んだ河川敷に行ってみました。

 

あれあれ、なんと去年の台風被害で河川敷は丸ごと改修工事区域とされていました。

 

そっか~、がっくり。

 

残念だったけど、ちょっと遠くからその河川敷を眺めながらお昼を食べました。

カイリも、傍らでマットに横たわり、ぽかぽか日向ぼっこ。

 

懐かしい場所。

 

綺麗に整えられた緑の芝生が広くて広くて。

その横を大きな川がとうとうと流れ、

うねる水面が太陽を反射してキラキラ眩しい。

今までに味わったことのない開放感を感じて、

十勝に来て良かった~!

ここで犬と毎日走り回って暮らしたい。

そう思って川辺りでビュンビュン自転車を走らせていたのはもう17年も前のこと。

 

そして、私が大学三年生の秋、十勝にカイリがやってきたんだよね。
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 (ちっちゃな頃からねぼすけで食いしん坊。飼い主によく似てるなー)

 

大学4年生の時には、放牧実験のため3ヶ月間みっちり乳牛の世話をした。

この川で、牛の世話で汚れたつなぎと長靴を研究室の仲間と洗った。

カイリは張り切ってつなぎの端っこを持って、手伝ってくれたなぁ。

洗い終わったあと、みんなで青い空を見ながら昼寝した。

 

なんだろ、改めて診察を受けると、

やっぱりこうして一緒に過ごせる日はもう長くないんだな、

という実感が湧いてきました。

気がつけば目から涙が溢れてしょうがなくって、

サンドイッチの味なんて全然分からなかった。

どこまでも広くて青い空と、頬を撫でる秋の風が優しかった。

 

デザートのシュークリームは、カイリと半分こ。

差し出すや否や、バクッごくん!!!

はやっ!!

あまりにそのがっつきっぷりがすごくて、

うーん、涙はまだ早かったな、

と笑っちゃいました。

その日の夕方には、薬を包んだチーズと一緒に

手の指を食べられそうになり、指にミミズ腫れ。

痛い痛い。

なんて強い顎の力。。。

 

咀嚼が出来なくなったけど、舌や顎の力はまだまだあるんだね。

自ら食べる力もあって、美味しいもの、そうでないもの、

ちゃんと把握できています。

排泄も自力で出せているし、点滴と薬を使いながら、

まだもうちょっと頑張って暮らせそう。

 

日に日に衰えていく姿を感じて、

涙してしまう時もあるけれど、

本当にカイリが大変な時には、

しっかり支えられるように強くありたい。

 

いま、ゆっくりとカイリは覚悟のための時間をくれている。

 

大丈夫、私たちはきっと必ず、ベストを尽くせるはず。

カイリという存在が強く結んでくれた絆で、

これまでも色んなことを乗り越えてきたんだから。

 

これからの1日1日を、大切に暮らしていこう。



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(いつかの秋の朝の散歩。野生のホップを探しに行ったんだったかな?!

猫じゃらしが、朝靄の中でふわふわ揺れてました。)

 



 

 

 

 

 

 

 

 

十勝千年の森へ

 

数日雨続きの十勝でしたが、気になっていた十勝千年の森へ行ってきました。

この日も小雨、恵まれたお天気では無いものの、そのせいか人の少ない園内をのびのび楽しめました♪

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ライラックの花もしっとり

 

 

ここは、わたしのお気に入りの場所。

北海道には色んなガーデンがあるし、まだ行ったことのない所もたくさんですが、今現在ここが一番好きなんです。

 

山の麓の広〜い場所にあるから、空気も澄んでいておいしい、

見渡す限りの色んな緑に囲まれてリラックス。心地好い自然をたっぷりと味わえます。

その中には、牧場あり、森あり、林あり、小川だってあるし、アートやカフェも楽しめる。

そして、それぞれのエリアには、趣の異なるガーデンが創られています。

ガーデンパスポートを購入すれば、一年中訪れ放題。
ここに惚れ込んだ私は、夫の分と合わせて2人分、毎年購入しています。

 

 

そしてなんと言っても、ここのガーデンおよびランドスケープをデザインした方が、

イギリスの超売れっ子ガーデンデザイナー、ダン・ピアソン(Dan Pearson)氏。

つまり、十勝にいながらにして、ガーデニングの本場、イギリスの世界レベルな庭を感じることが出来る、ありがたすぎる場所なのです。


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ダンさんはこんな人。彼の著書、Home Ground :Sanctuary in the Cityより。

やっぱ、素手で土をいじるんだわ。そこが好き。

 

ところで、ここのガーデンの素晴らしさを、言葉にするのはとても難しいのですが、

何よりすべての植物達が無理なく、

そして美しくその場の景色(雰囲気)と調和しているところだと思います。

森、林、草地、牧草地、庭ゾーン、全部それぞれの雰囲気、空気感があって

それに合わせた植栽がなされている。

どれかが突出して目立つわけでもなく、でも近くへ寄ると目を引く役目の植物も植わっている。

とにかく、ほんとに植物を知り尽くしている人がデザインしたんだなぁと行くたびに唸ってしまう。

 

そう言えば、このダンさんのセミナーが、数年前にここであって、その時に聞いた言葉がずっと頭に残っています。

庭を作る時には、焦らずじっくりと『その場の持つ'気'を観察し、それを生かすことが大切』。

気は、atmosphere。雰囲気とか、そういう、五感で感じ取る事が大切という事ですね。

以来、家の庭をどう言う風にして行くか、決まらず焦ってしまう時も、今は気を感じている時、とゆったり構えられるようになりました。

 

今回は、まだハイシーズンではないけれど、だからこそどうなっているのか?

宿根草の株って、株間って今時期どんな大きさ?

うちの庭の参考がてら、ジュジュをお供に行ってまいりました。

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途中、小川のせせらぎに癒されながら

 

 

さて、今の時期は、ゲラニウム・サモボーとアマドコロのコンビネーションが全盛期でした。

連なるアマドコロの白い花が、ふわふわしたニュアンスのダークなサモボーの間にシュッと入ってとてもアーティスティック!!ガーデンは芸術ってほんとにそう思います。

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もう少し前なら、クリスマスローズがたくさん咲いていたはず!

白いクリスマスローズと、クルマバソウのコンビネーションが面白かったです。

 

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このゾーンも相変わらず迫力ある。色々な色の緑!!

 

気になる今時期の株の成長具合もじっくり観察。

やっぱうちの庭の株より倍くらい大きい。

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そして、今時期もう一つガーデンの見どころは、ファームガーデンのカマシア群落でしょう!

これから全盛期へ向けて準備中と言った感じのローズガーデンを抜けていくと、

その先の草原にふわぁっと薄紫色、濃い紫色のパッチワーク。
まぁー素敵。
近づいてみると、カマシアが沢山咲いていました。

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実はカマシアはうちで今年初めて咲いた花でもあります。
去年の秋に、ポールスミザーさんの本の中に、オススメの球根として紹介されていました。
背が高く、とても丈夫で、草地などで点在させると自然な景観が作れると書いてあり、

どれどれ、やってみようと思って試しに植えていたのです。

でも、結局咲いたのは5球程度でちょっと草の勢いに負けてしまいました。

植えた時期が寒すぎたのかも?

 

だから、今回、このカマシアの景色を見た時に、

まさしくこれ、ポールスミザーさんの言っていたヤツやん!!と、とても興奮しました。

ところどころにリンゴの木も植えられていて、それがまた良いアクセントになっていました。

奥には、ヤギやヒツジがのんびりと草をはんでいて、それこそずっと眺めていたい気持ち。
ローズガーデンから、自然に牧歌的な雰囲気に移り変わっていき、

最後にヒツジが現われる設定もにくいわー。

遠くの方までヒツジがみえて、今朝は少し雨でイギリスっぽい風景に。

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やっぱり来てよかった。
花の全盛期でないときも、いつ来ても楽しめます。

さぁ、次はどうなっているかな?

北海道の短いガーデンシーズンは、自分の庭仕事も忙しいけれど、

こういう素晴らしいガーデンめぐりも忙しいですね。

めまぐるしく進んでいく、北海道の短い夏。

今年はどこまでやれるかな。

どんな収穫があるかな。

 

今の家に引っ越してきた当初は、自然のカオスっぷりに閉じこもりたくなった事もあるし、今だってそういう気持ちが起きないことも無いけれど。

 

目指したい世界があるから、きっとこれからも庭とともに毎日を歩んでいくのだろうな。

 

『庭は美しい秩序を保った混沌の世界』

『閉じこもったままじゃ、実は結ばない。立ち向かえ。』

コレ、観たいなぁ。


『マイ ビューティフル ガーデン』予告編 - YouTube

 

 



招かれざる客

 

 

ある晴れた5月の朝のことです。

 

窓から外を見ていた夫が

 

なんか変なやついる‼︎

 

と叫びました。

 

 

なに?!

 

同じく窓の外を見ると、そこには家の小道を

ヒョコヒョコと嬉しそうにして、こちらへ走ってくる黒い物体がいるではないですか!!!

 

 

あれは!!あのシルエットは!!!

 

それは最も家で遭遇したくない生き物でした。

 

全世界中の動物を、全て同じ大きさにしたら、最も強いだろうと言われる動物。

 

食物連鎖ピラミッドの頂点にいる、そう、あれですよ!

 

イタチ族ですよ!!

 あぁ、とうとうウチまで来てしまったのですか。。。

 

黒い焦げ茶色したヤツは、よく見ると全身ビショビショに濡れていました。

 

家のすぐ側に流れる、用水路を泳いできたのでしょう。

 

一年くらい前、夫が通勤途中、近くの川でミンクが泳いでいるのを見た、

と話していたので棲んでいるんだな~、気をつけないとな、敵にしたくないなぁと思っていたけれど。

 

遂に川泳いで家の横の用水路まで、上って来ちゃったかぁ。

 

実はわたしなぁ、大学時代にフェレットと暮らしてたことあってなぁ。。。イタチ族も大大大好きなんよ。。。

 

 

な~んて呑気に眺めている場合ではあらへんで!

 

 

鶏の存在に気づかれたらお終い!!

 

養鶏家さんが、イタチに鶏を全滅させられた話は度々耳にしていたし、

ヤツらは遊びでやってしまうから、たちが悪いという。

 

最悪の事態を想像して、ぞぞぞーーっと血の気が引きつつも、うかうかしておれん、

一刻も早く追い払わなければ!!!

 

犬と外へ出ると、すぐに犬はヤツに気づき猛ダッシュで追いかける。

 

と、間一髪逃げたヤツは、スルリとウッドデッキの下に入ってしまった!

 

あらら、困ったことになったー!

 

薄暗いウッドデッキの下は、いろんな動物が隠れたり休んだりする、動物にとっては絶好の隠れ家。

 

面積も広いから、右から攻めても左に逃げられるわ、

 

左から攻めても、右に逃げられるわ。

 

さてどうしたもんかね。。。

 

夫と挟み撃ちでやるしかない!

 

っつーかさ、追い詰めたところでどうする?捕まえる?

生け捕りにしてどこか遠くの川にはなしにいく?

 

しばしの作戦タイム。。。

 

そうやな、逃げたって用水路がある限り、また来るし。

捕まえてみよう。

 

(って、この時、とっさに夫が持って来たの、虫取り網でね。

あとから冷静になって考えると笑えてしょうがない。)

 

まーそんなこんなで人間たちがワーキャーと騒いでおったら、我が家のヌシがのしのしと現れてね、

 

何を騒いどんじゃい、とずんずんデッキの下へ入ってっちゃった。

 

 夫、左護り、わたし右守り、ヌシ真正面から攻める形に。

 

ちょ、危ないて、ヤツにやられるで!!

 

心配性のわたし、必死に引き止めるも、ヌシにはどこ吹く風。

 

 

 

 

ーーーそしてヌシとヤツは出会ったーーー

 

 

 

 

シャーーーーッ!!!

 

口を思い切り開いて威嚇するヌシ。

 

これはなんかまずいことになったぞと、奥に奥に追い詰められるヤツ。

 

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どんどん奥に追い詰めて、ヤツはとうとう立水栓のところまで追い詰まった。

 

その、立水栓のところって言うのは、唯一デッキに穴が開けてあって、上からでも手が入る場所。(上の図をご参照ください☆)

 

よっしゃ、いい場所に追い詰まってる!!

 

と思った途端、上で待ち構えていたジュジュ(犬)が、その穴からガッと勢いよく顔を突っ込んだ!!!!

 

 

ギャギャッ!!!

 

低い叫びが聞こえた。

ヤツがまさかの上からの攻撃にかなりビビったのであろう。

 

で、次の瞬間…!!!

 

 

 

 

オェェェーーーーー!!!!

くっさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!

 

じぬぅ(死ぬ;鼻つまんでるからね)ーーーーーー!!!

 

 

何とも言えない刺激臭が辺り一面に広がる。

 

これにはさすがのヌシも降参!

 

一同、デッキ周辺からそそくさと退散。

 

これが噂のイタチっ屁ちゅーやつか!!

恐るべし!!!

 

それは目にきそうな位の悪臭でした。

 

 

こまったなぁ〜、これじゃ捕まえられへんやん!

万が一、虫取り網で捕まえたとして、絶対この一撃でやられてしまう。

 

 

作戦変更。

とりあえずは、家の敷地内から出て行ってもらおう。

 

また犬が追い詰めて、匂い爆弾くらわされるとたまらんので、

ひとまず犬は離しておき、人間だけでそーっとデッキの下から追い出す。

 

するとヤツは困惑しつつも、物置小屋に走り去り、

薪置き場の薪の間にそのスリムな身体でスルスル、ドロン。

 

(ここら辺で夫も職場へドロンしました。

わたしとイタチのタイマンが始まります?!)

 

忽然と消えたヤツ。

でもきっと薪の間に潜んでいる。

そうだ、犬に聞いてみよう。

 

ジュジュを連れて来て見ると、案の定ここ掘れワンワン、と言わんばかりに攻め入る場所あり。

 

よっしゃそこやな!!

わたしは積んだ薪を、どんどんよけるよけるよけるよける。

 

夢中になってよけまくったのに、全部よけたのに、ヤツの姿はみじんも現れず。

 

ほんとに消えた???

 

もう一度、犬の様子を見てみる。

と、薪置き場から奥の草原へと、しつように地面を嗅いでいる。

どんどん奥の草原に行きたそうだ。

 

ということは、逃げられたな。。。。

 

はぁぁぁぁーーーー

 

そらじゅうに転がった薪を見てげんなり。

これ、戻すのぉ?!

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ヤツは相当手強い。

気を引き締めていかなければ。。。

 

その晩、夫は仕事から帰るやいなや、鶏小屋の気になっていた隙間を

コンクリートで埋めました。

 

 

To be continued...

 

 

 

□オマケ□

わたしが薪と格闘していたその頃。

臭いに参ったヌシは、かいり婆ちゃんとのんびり夢の中でした。

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草の上は気持ちがいいニャンね〜♪

 

 

 

 

 

雄鶏はジェントルマン


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現在、うちには2羽の雄鶏がいます。

チャボのマフィンとアローカナのニンバスです。

アローカナとチャボとで二つの群れ。

この春からは、小屋も別々で暮らしています。
というのも、繁殖期に入り、パワーのあるアローカナのニンバスが、メスを独り占めしようとして、群れの平和が保たれなくなりました。

大きな雄鶏のニンバスを嫌がるチャボ達は、みんな小屋の梁の上に避難して日中を過ごすようになってしまったのです。

体格差によるトラブルは、いずれ起こるものと想定していたので、小屋を別けて解決です。

 

ニンバスとハーマイオニーが、アローカナ同士のペアです。
アローカナ達はチャボ達に比べて、とても活動的で、
行動範囲も広いし、庭じゅうを走り回っているのが常。

そりゃあ小さなチャボ達と一緒に飼う方が難しいって話なんですね。
 

さてさて、こうして二つの群れが誕生して、その様子を観察していると、やはりオスは群れのリーダーなのねぇ~。

春になって突然、メスたちに対してジェントルマンな振る舞いが見られるようになりました。

 

朝、餌をあげに行くと、我先にと食べに来ていたのが、真っ先に餌の場所まで行き、自分は食べずに『クックックッ』と短い声で鳴くのです。
そして、雌達がその声に反応して寄ってきて、餌を食べるのを傍らでじ~っと見ています。

安心してメスたちが食べられるように、周囲を警戒しながら見守っているのですね。
そして、ある程度メスたちが食べ終わるとようやく自分の番と、ついばみ始めます。

 

 

チャボのマフィンは特にその行動がわかりやすく、そして大きなニンバスからも小さいメスたちをよく守っていたので、根っからリーダー気質なんだろうと思います。

声は甲高くていささか貫禄には欠けますけど、しっかり雌たちを護っている様子。

 


一方のニンバスはちょっと頼りなさげなのです。
しつこく雌を追いかけ回す割には、肝心のところで勇気が出せないでいる様子。

寄ってくる犬にも今ひとつ、強く出られません。
餌場を見つけても、雌にあげてるのかなぁ??って曖昧な感じで自分も食べている。
雄でも色々いるんだなぁ~。
ニンバスは生まれた時から繊細だったもんなーなんて思っていました。(たぶん、アローカナ自体が結構繊細)

 

ところがある日の朝のこと。
アローカナ達を庭に放していると、ネロが出入りをする窓の真下、ニンバスがコケコッコー!!とそれはそれは大きな声で食べ物を催促。
ちょっとちょっとそんなバカでかい声で鳴かなくても。。。
耳キーンなるわァ、などとブツブツ言いつつ萎れた水菜をいくらか冷蔵庫から取り出し、窓からお裾分け。

 

すると、ニンバス、クックックッと言いながらすぐさま水菜を嘴につまみました。
しかし、それを飲み込もうとする様子なく、ずっと咥えながらクックックッと鳴いて雌のマイマイを呼んでいるのです!
そして声を聞きつけてダッシュして寄ってきたマイマイに、その水菜をそっと地面に置いて差し出したのです。

 

まぁ~~!!なんてジェントルマンなふるまいなんでしょう~~!!
感動して、私はブルっと震えてしまいました。
ニンバス、やるやんか!

窓から一部始終を観察していた夫も私も大喜び。
(何故かマイマイはその水菜を受け取りませんでしたが(焦))
ニンバスだって、なよっちく見えていても、ちゃんと雄鶏の役割を果たしている。

雄鶏として、成長しているんだなぁー、と感心しました。

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↑まってぇ〜!マイマイを追いかけるニンバス

 

よく見ているとマフィンもやっぱり、餌を拾い上げてはメスたちに与えています。
バルブダンベルのメスたちは、行動がとても機敏で、マフィンがクックックッと鳴いて、餌を拾い上げるやいなや、走り寄り、ブンッと一瞬でその餌を奪い取ります。
その電光石火な様子は、見ていてとても愉快です。
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↑餌を差し出すマフィン。とっても微笑ましい❤️

 

 

鶏の家族愛なんて言うと大袈裟かも知れません。
でも、オス達のこの素敵なふるまいを見るにつけ、なかなか他の動物には見られない、素晴らしいものを見せてくれるなぁと感じています。

 

雄鶏は、卵を産まない事や、早朝から大きな声で鳴くこと、そしてオス同士で激しい喧嘩をしたりと、その存在を好まれない事も多々あります。
ですが、群れに1羽雄がいると、外敵をいつも見張り、いざと言う時には立ち向かってくれるので、雌達は安心して暮らせます。

今回のような、雄と雌のふるまいの違いを観察するのも、また大きな楽しみです。

だから、やっぱり群れに雄がいると面白い。

たまにドジをしたり、メスに怒られたりもするけれど、今日も頑張れ、我が家の雄鶏たち!!

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↑イメージ図

 



我ら、福寿草観察隊

やっと、雪がとけて陽射しも強くなってきて、夜明けも早くなりました。

ずーーーっと冬の間、楽しみにしていた球根があちらこちらから、ニョキニョキと顔を出し始めています。

 

あらっ!
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ギョウジャニンニクの芽も姿を現し♪

 

 

ポカポカ、あったかい日には上着も要らない。

犬猫鶏、わらわらと外へ出て散策開始!

気づけば歌を口ずさんでいます。
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わたしの最近の一番の楽しみは、野に咲く福寿草に会いに行くことです。

黄金色した、ツヤツヤな花たちを見ると、あぁ~、春が来たなぁってうっとり。

ずっと眺めていたい。


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地面から咲く花を、ずっと心待ちにしていたから。

春一番に、誰よりも早く、誰よりも元気に逞しく咲く福寿草が、大好きなんです。

 

今日は、朝から不意打ちの雪が降り、福寿草も花弁を閉じて、寒さに身を寄せ合うようにしていました。

午後になって太陽と青空が戻ってくると、すこしだけふんわりと顔を上げていました。


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福寿草は日当たりの良い斜面を好みます。

家の敷地の入り口に、大きな群落がひとつあって、これは年々大きくなっている気がします。

もうひとつ、家から少しはなれた雑木林の淵にも大きめの群落があります。

これを、犬猫と連れ立って観察に行くのです。時間は、朝だったり昼だったり、夕方だったり、色々。

先に犬達と連れ立って歩いていくと、庭で遊んでいたネロが慌てて追いかけてきます。

そして、短い尻尾を上げて全員に挨拶して周り、さぁ、行くよ、と先頭に立って張り切って歩くのです。


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ここは彼の縄張りなんだろうね。

 

ほとんど目の見えなくなったカイリばあちゃん、最近は歩いている途中でぼーーっと立ち止まってしまうことも多いです。

そんなとき、ネロはカイリの元に行き、ぐるっとカイリの周りをまわります。

すると、カイリもハッ!!としてまたネロを追うようにして歩き始めます。

わたしにはこれは、ネロが意図的にしているようにしか見えません。


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なので彼はよく、カイリばあちゃんを引き連れて歩いています。

そんな様子が、なんだかとても優しくもあり、頼もしいなぁと、悠々と先を歩くネロを見て思うのです。

かいかぶりすぎでしょうか。

 

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そうして歩いていくと、福寿草たちを発見!

ポツポツと黄色く咲いています。

まだまだこれは序盤、この後の群落の花たちがいっせいに咲く姿は本当に見事です。

この黄金色を、青空と一緒に写真に収めたいのだけど、なかなかチャンスは巡ってきません。

福寿草の開花期間は短く、一週間程度です。

そういうわけで、私たちは頻繁に様子をチェックしに行くのです。


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※カメラとの間に割り込む隊長

 

今日も福寿草観察隊は、強風に煽られながらも、任務を遂行して参りました。

ネロ隊長は、あまりの強風に、先に家に撤収されてしまいましたけれど。

ジュシの耳が風で立つくらい強い風だったから、身体の小さいネロには厳しかったはず。

次回からは、ジュシの耳を見て、行くかどうかネロ隊長と相談だね。


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耳が立つと、いつもよりめっちゃよく聞こえたりするの??

ジュシに聞いてみたいです☆

 

 

 

◆オマケのエピソード◆

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一瞬のうちに姿を消した隊長を探す私に、隊長は家に居ますよ、と仕草で教えるジュシ。

上の写真では、家の方をしっかり見て確認。

下の写真では、私の元にやってきて、伝えようとしているところ。

やや左側(家のある方向)に重心があります。顔を左に傾けつつ、こちらにアイコンタクトを送り、そして何度も左を見て、あっちあっち!とわたしに知らせています。

 

ほんまに?あっち?もう家にいるの?と少々疑いつつ帰ると、ほんとに家から隊長が出てきました。

動物はすごいです、ほんとに。

私たち人間が、どんなに頑張っても出来ないことが、いとも容易くできるんだから。

そう言えば、ジュシはキツネに襲われて、草むらに隠れている鶏を見つけてくれたこともありました。

雪に埋まって全く見えないテニスボールも、広いフィールドから鼻だけを頼りに見つけてしまうくらいの嗅覚だから。

ネロ隊長がそそくさと家に帰ったことぐらい、目に見えるように分かっていたのだろうね。すごいなぁ。もう。

ジュシと意思疎通できたような、こんな瞬間が嬉しくて仕方ない私でした。

そしてまた、こんな何気ない日常が、愛おしくて仕方ない春なのです。

I want something just like this ♪

The Chainsmokers & Coldplay - Something Just Like This (Lyric) - YouTube

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リスとネロ

雪解けがいつもより早くすすんでいる今年。三月ももう終わりですネ。



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※ついこの間まで白かった山脈。散歩中のふたり。

 

 

最近は、ポカポカの陽気が嬉しくて、みんなで外でひなたぼっこを楽しんだり、球根の芽や山菜の気配を探してまわったり。

やっぱり、庭に出られるのは嬉しいです。

婆ちゃん犬カイリも珍しく、ぎっこんばったん、駆け足を見せてくれました。春の香りがわかるんだろうな。

 

今日は残念ながら、雪がチラつきどんより曇り空。冬物のウールのコートを着こんですっかり冬に戻ってしまいましたけれど。

二種類ほど、球根の芽も出てきているし、確実に季節は巡っているのです。

春はすぐすぐソコです。

 

雪が溶け、地面が見えてきたこのごろは、ネロの朝パトロールの帰りが遅く、わたしが出かける時間になっても戻らないことも増えてきました。

 

あいついったい、どこほっつき歩いてんだろ?!ちょっとイライラ。

あーぁ、今日も1時間遅れコースやわぁ。

まぁしょうがないか、、、春だものね。

みんな、ルンルンしたいものさぁ。。。

フゥーー、やれやれ。

と、人間はあきらめを学びました。

 

 

三月のはじめ、彼はリスに夢中でした。

地面を駈けてリスを追い、木の下で待ちぶせ、時には高いところまで木に登って、狩りの真似事を楽しんでいました。

 

こんなにネロが執拗に追うと、庭からリスたちが居なくなってしまうのでは?と心配していましたが、リスたちは案外タフでそんな事は全然関係ない様子。

秋に埋めた胡桃の実を熱心に掘り返しています。掘り上げた実は、敷地の奥にある林に持ち帰ったり、木の上でそのまま食べたりしています。

 

ところで、リスたちが頑張って秋に埋めたこの胡桃の実。春になると発芽して、それはそれはものすごい勢いで生長します。

そして、あっっっという間に巨大化してしまうので、わたしたちにとっては、悩みの種、いや、それこそ悩みの実、なんです。

なので、リスたちよ、ちゃんと埋めた分、全部掘り上げてってや~、頼みますよーって気持ちで、その活動を眺めています。

 

話戻って、この庭のリスとネロは、毎朝顔を合わせるので、もうすっかり顔見知りになってんのちゃうやろか、とわたしは密かに感じています。

庭のリスは沢山いるから、同じ個体かどうかすら区別はつかないんだけれど、どうもリスがネロの存在に馴れている気がしてくるんです。そして、その逆も。

 

ある時はネロが見上げる木の、真裏からリスが降りてきて、そのあまりの距離の近さに見ているわたしはドキドキハラハラ。
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またある時は、すぐ下で見上げるネロにお構い無しで、牧柵の上に座ってゆうゆうと胡桃の朝ごはん。


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ネロもネロで、スレスレのところを逃げられても、ノソノソと走って追いかける始末。

遅くない?!

今の、捕まえるところちゃうの?

ツッコミどころ満載のネロ。

絶対に捕まえる気はないんだろうなー。

そして、それをリスはきっと気づいてるんじゃないかなぁと、わたしはこの2人?の関係を微笑ましく見守っています。ホクホク。

 

願わくは、ネロが子リスなんて咥えて持ち帰りませんように。。。

そんな事して、このわたしのロマンをぶち壊しませんように。

 

そしてもう一つ、どうかこれ以上、身体中に松ヤニをつけて帰って来ませんように。。。

いろいろ、あちこち、部屋の中、毛の中、取るの、大変なんですよコレ。。。

松ヤニは、もんのすごくネチャネチャしていて強力、毎回何故かネロの左ほっぺの毛が束になって抜けているのです。
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ひどい絵面(笑)

 

と、このように、三月はじめはリスに夢中のネロでした。

三月おわりの彼は。。。

地面の穴に潜む、何者かに夢中です。

さて、それはいったい誰なんでしょう???

次回以降、乞うご期待☆

 

 

オマケ。
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 ジーーッ

リスを見つめるネロ。

雪山に隠れているつもり?この後、もっと距離を詰めていました。

 

 

 

鶏小屋の冬支度②と、『動物がしあわせを感じる時』

昨年秋に下書きしていた記事が見つかりました(^^;

鶏小屋の冬支度からの繋がりとなっているので、記録がわりにアップしておきます。

 

↓↓↓ここから

 

 

風が強い日が多くて、寒さを理由に庭仕事が遠ざかる晩秋でした。

えっちらおっちら、冬支度。

 

今月頭にドカッと降り積もった雪はやっと溶けてなくなりました。

庭は球根も植え終わって、一安心。

雪が溶けたので、地面の落ち葉も集め、鶏小屋へザクザク搬入しました。


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※なにしてるの?と、野次馬ハリー。

 

ピートモスを敷いた上に、落ち葉をたっぷり。

去年のチャボ3羽から、今年は8羽になったので床材の撹拌も早くなると思われ。

まだまだたっぷり入れてやりたいところ。

 

乾燥する冬に向けて、この日は暖かかったので、ホースで水を撒きました。

冬の氷点下の気温の中、床の水分は凍結してどんどん無くなります。

そうなると地面は細かい土埃が舞うようになってしまいます。

それは鶏達の身体に良くないので、できるだけ落ち葉を敷き詰めて水分を保つようにしています。

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※新しい床に興味津々な鶏達。

 

 

床には、切り倒した胡桃の丸太を所々にならべて、冬の虫の棲家にします。

丸太の下に眠る虫は、冬の間の鶏の「おやつ」になるので、時々ころころと丸太を動かして、鶏達の退屈しのぎです。

虫たちよ、堪忍~。

 

どんな動物も、退屈が長引くと異常行動に繋がりかねないので、特に外で遊ぶ機会の減る冬の間は要注意なのです。

 

こう言った、動物の生活の質を上げるためのたくさんの情報がありますが、特にわかりやすく動物目線で書かれている本があるのでご紹介。

 

テンプル・グランディンという、自閉症であるからこそ知りえた、動物の感覚を研究した方の「動物がしあわせを感じる時」という本です。

 
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この本はとてもわかり易く、動物の情動(アニマル・マインド)の観点から「動物の生活の質」を上げるために私たち人間ができることについて、詳しく書かれています。

 

犬、猫、牛、馬、鶏、とそれぞれの種類の家畜について分けて書かれていて、特に今回は鶏の項は勉強になりました。

 

例えば、産卵鶏で深刻な問題となる、お互いの尻が禿げても肉が見えてもやめることのない、尻つつきや羽毛つつきに関して。

 

鶏の尻つつきは、時にはそれで死に至ることもある程激しく、鶏舎では深刻な問題になります。

様々な研究を経て、この尻つつきや羽毛つつきと言った異常行動は、鶏達の生理的欲求の捌け口であるとわかったそうです。(つまり、鶏個体同士の攻撃やいじめではなく)

おそらくは、探索の代わりか、探索の対象が他の鶏に向けられるため、とされていました。

 

例えば、寝藁で飼われている鶏は、羽毛つつきが明らかに少ないことが解っており、これは羽毛の代わりに地面の藁をつつく事ができるから、という訳です。

 

また、あさる行動(探索)が生まれつき多く、活動的な鶏ほど、深刻な羽毛つつきをするケースが多いそうです。

それはつまり、鶏の暮らす環境を整える事で減らすことが出来る問題という訳です。

 

例えば白色レグホンに、簡単な紐のオモチャを与えると、羽毛つつきが減るそうです。そして、このオモチャにずっと飽きることもないそう。

 

と、言うように、動物達には、探索(あさる、探索する、捜索する、探す、etc)という欲求があり、それを満たしてやる事で生活の質QOLを上げることができる、と述べられていました。

 

動物と暮らすとき、その動物のことをよく理解すること。

Think like Canine.

犬の頭になって、考えてみよう。

 

これは私が犬のトレーニングでいろんな迷いがあったときに出会ったフレーズですが、この、理解すること、と言うのがなかなか難しく、時に人間都合で動物を擬人化して見たり、無理な要求を押し付けてしまうことがあります。

 

つい、身近にいるから、いつもそばに居るから、わかった風なつもりになるけれど、動物はその動物としての物事の捉え方、感じ方を持っているという事。

もちろん、相手を100%理解するなんて、人間同士でも無理なことだけれど、理解しようとする姿勢が大切なのではないかと思います。

 

この本は、動物達の言い分の根拠をわかりやすく示し、具体的に出来ることなどをハッキリとした言葉で示してくれる貴重な1冊となりました。

動物に関して、視野が広がります。

 

また、面白いのが英題。

Animals Make Us Human. 

となっています。

どういうこと???

動物が、私たちを人間にする。

つまりは、人間であるからこそ、動物にしてやれる事がある、という事を意味しているのかな。

するべきことがあるって言うことかも知れないですね。

ニュアンスはわかるのに、なかなか言葉にするのが難しいなぁ。

 とにかく、この本を読むことで我が家の動物達との暮らしを省みるきっかけになりました。

みんなでのびのびと過ごし、それぞれその動物の持ちうる能力を発揮して、助け合いながら暮らすのが私の理想です。

 

犬や猫の章もとても興味深かったので、また折々まとめたいと思います。

図書館で借りてきた本だけど、本当はいつも自分の本棚に置いておきたい1冊です。