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北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしを徹底観察‼︎

鶏の「巣ごもり」本能とその解除

鶏類の話
昨日からこちらは雨。。。
 
庭に出られないから、半ば強制的な休み、気持ちはゆっくりと過ごせたりする。
 
植物にとっても、わたしにとってもひと休みの恵みの雨の日です。
 
 
 
さて、今回は鶏の話シリーズいきます。
 
卵を産んだあと、温めるのは鳥類達の常識!?ですが、我らが鶏に関して、その行動は果たしてどうなっているのでしょうか?
 
 
 

鶏の巣ごもり本能「就巣性」

「巣ごもり」は鳥が卵をある程度の数産み、卵を温めて巣にこもっている状態のことを言います。卵を抱いていると言う意味の、抱卵も同じような状態を指します。(英語では、broody chicken, broody hen)
 
巣ごもりは、本来鳥類の雌であれば備わっている本能ですが(カッコウとか特殊なやつらは除く)家畜化されている鶏は、品種によってこの本能(就巣性といいます)があるものとないものがいます。
 
鶏が野生だった頃、卵は、子を育てる春と秋に産む季節性のものでした。
そこから、私達人間が、その卵をいつでも食べられるように、季節関係なく毎日卵を産むよう鶏を品種改良してきたのです。その結果、毎日卵を産む鶏(採卵鶏と言います)は、上に挙げた「巣ごもり」の本能が無くなりました。(まれにある個体もいるようですが)
 
※ちなみに、スーパーで売っている白色の卵は「白色レグホン」、赤色の卵は「ボリスブラウン」という種類の鶏の産んだものです。
 
 
一方で、採卵鶏として改良されすぎていない野生に近い種類の鶏は、巣ごもり本能(就巣性)が残っており、ある程度の数の卵が巣に貯まると、抱卵をはじめます。
 
文字通り巣に篭ってしまうので、餌も水も最低限しか取らず、一日中じーーっと巣に座っています。
それはそれはまるで地面から磁石で引っ張られているかのように、ぺちゃんこになって座っています。
たまに、卵を優しく転がし、首を伸ばしてせっせと自分の周りに敷き藁を寄せ集めています。
 

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で、こう言う見た目の行動も明らかに変化するのですが、すごいのは、なんとその間は鶏の体温までも上がっていると言う事です。
そして、さらにお腹の羽が抜けます。きっと直接皮膚を通して温めた方が熱や湿度が伝わりやすいからでしょう。
 
こんな驚きの巣ごもりという本能(就巣性)ですが、共に暮らす私たちにとっては時にやっかいな性質でもあります。
 
わたしは今回、リリーがもう卵が無くなっているにも関わらず、巣にこもって出てこなかったり、ほかの鶏が温めている卵までも奪って温めたりと、なにかに突き動かされるように行動する様子を目の当たりにして、この本能がいかに強いものなのかをまざまざと感じると同時に、悩まされもしました。
 
そりゃ、無事に卵を温めて雛が産まれるのが鶏にとっては自然な事なのでそうさせてやりたいのは山々ですが、彼らを飼育管理する私達人間は、その命をコントロールしていかなくてはなりません。
 
通常雛が孵る21日を超えて巣ごもりしていると、鶏はどんどんやせ細り、顔色も悪くなってきます。母体が危うくなってくるのです。その間、精神状態も、リラックスとは程遠い神経質で不安定な状態になっています。
 
また、他の鶏の卵を見つけて横入りし、複数で折り重なるように巣ごもると、生まれた雛が圧死してしまう事もあります。
 
そこで、こういったトラブルを未然に防ぐためにも、この素晴らしいけれども時にやっかいな巣ごもりを、人為的にやめさせる方法があるので紹介します。
 
 

巣ごもり、抱卵モードを解除する方法

巣ごもりを辞めさせるためには、
 
①その鶏の上がった体温を下げること
②巣や卵のある環境(シチュエーション)を変えること
 
この2つが大切だそうです。
 
今回、参考にしたのは、この動画です。
コッツウォルズ・チキンズさんのもの。
 
Broody Chickens -Dos and don'ts-
 


Broody Chickens - Dos and Don'ts - YouTube

 
この方によると、巣ごもり解除(break brooding)は、見つけたらできるだけ早くするべし!!だそうです。
 
パンケーキのように、ぺっちゃんこになって卵を温めれば温めるほど、その身体には熱がこもり、体温は上昇するようになっているため、なるべく早いうちに巣ごもりは辞めさせた方が良い、との事。
(それに、無駄に痩せてしまうのも防げますね)
 
用意するものは、鶏一羽が入る網のケージと、餌と水を入れる容器、地面からケージを浮かせるための木の角材のようなもの二本。
 
ケージが網なのと、床から浮かせるのはできるだけ鶏の身体の周りに空気の流れを作り、効率的に冷やすためです。(止まり木を入れるのも、床から鶏を離すためのひとつの手としてオススメ)

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※セッティングのイメージ図。ポスター風に描いてみました。
 
 
また、ひとつのケージには絶対に、一羽の鶏しか入れないこと。複数入れると互いに温めあってしまい、体温が下がりません。
 
ケージを置く場所は、その鶏の群れのいる小屋やランにします。そうすることで、ケージの中の鶏も群れの鶏と網越しに交流でき、次に群れに戻した時、仲間はずれにされません。
 
ケージに入れておく時間は、三日三晩です。この間は、可愛そうだけれどずっとひとりにさせます。夜だけ群れに戻したりもダメです。
 
これで、たいていの鶏は巣ごもりを辞めるそうです。
 
ケージは、ペットキャリーでも良いそうです。そして、ケージの上にはほかの鶏が登って糞落とすのを防ぐためにプラスチックトレイを置きましょう、とも。
プロフェッショナルな気づかいですね。
 
この方の、白い鶏を抱く手つき、ケージに入れる手つき、これもプロフェッショナル。
鶏を怯えさせない動きで素敵です。
 
 
 
さてさて、わたしは、リリーにこれを参考にしてやってみたところ、二晩目には解除されていました。

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※面会中のペロ
 
ただし、巣ごもりが長かったリリーは、爪がすごく伸びていて、床の網に引っかかってしまい、爪が剥がれ、流血沙汰になってしまいました。
 
即、オロナインを塗りましたが、翌日は脚が痛そうで、地面を引っ掛けないので可哀想でした。なので、鶏を金網の床のケージに入れる時、爪に要注意です。もし、爪が伸びすぎている場合はチョンチョンと爪切りで切ってやるのがよろし、です。
 
 


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無事に巣ごもり解除されたリリーは、ペロと寄り添い、また穏やかで騒々しい?!毎日を元気に送っています。
 
 
巣ごもりを辞めさせるには、鶏を水に浸ける方法も広く知られていますが、効果が薄いことや、水に濡れることは鶏にとって非常にショッキングな事なので止めましょう、と動画では話されていました。
 
他にも調べると三日三晩隔離して水のみ与え絶食させる、とも記述がありましたが、餌を与えても問題ありません。ただでさえ食べてない巣ごもり鶏なので是非、あげて欲しいと思います。
 
できるだけ、動物に苦痛を与えずに暮らしていきたいし、その方法を探って、知恵を絞っていくための情報はとても貴重です。
困った時に、目で見る事が出来る動画の心強い事。
 
欧米ではバックヤードチキンと言って裏庭で鶏を飼育する家庭も日本よりずっと多いようです。
それだけに、飼育用品や飼育のヒント、コツを学べるサイトもとても多いのです。
こんな情報がもっと身近になり、日本の庭に、鶏が増えると嬉しいなと思います。
庭の鳥だから、庭で飼いやすいし、家畜なので想像以上によく慣れます。
彼らはいつだって、誰よりも熱心なわたしのガーデニング仲間です。
 
 
さて、鶏の魅力を語り出すと止まらなくなるので今回はここまで!
 
とっても長くなりましたが、鶏のお話、巣ごもり編でした~!
 
 

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全員集合、家族写真。
遠い目をして夕飯を待つ。。。