現在、うちには2羽の雄鶏がいます。
チャボのマフィンとアローカナのニンバスです。
アローカナとチャボとで二つの群れ。
この春からは、小屋も別々で暮らしています。
というのも、繁殖期に入り、パワーのあるアローカナのニンバスが、メスを独り占めしようとして、群れの平和が保たれなくなりました。
大きな雄鶏のニンバスを嫌がるチャボ達は、みんな小屋の梁の上に避難して日中を過ごすようになってしまったのです。
体格差によるトラブルは、いずれ起こるものと想定していたので、小屋を別けて解決です。
ニンバスとハーマイオニーが、アローカナ同士のペアです。
アローカナ達はチャボ達に比べて、とても活動的で、
行動範囲も広いし、庭じゅうを走り回っているのが常。
そりゃあ小さなチャボ達と一緒に飼う方が難しいって話なんですね。
さてさて、こうして二つの群れが誕生して、その様子を観察していると、やはりオスは群れのリーダーなのねぇ~。
春になって突然、メスたちに対してジェントルマンな振る舞いが見られるようになりました。
朝、餌をあげに行くと、我先にと食べに来ていたのが、真っ先に餌の場所まで行き、自分は食べずに『クックックッ』と短い声で鳴くのです。
そして、雌達がその声に反応して寄ってきて、餌を食べるのを傍らでじ~っと見ています。
安心してメスたちが食べられるように、周囲を警戒しながら見守っているのですね。
そして、ある程度メスたちが食べ終わるとようやく自分の番と、ついばみ始めます。
チャボのマフィンは特にその行動がわかりやすく、そして大きなニンバスからも小さいメスたちをよく守っていたので、根っからリーダー気質なんだろうと思います。
声は甲高くていささか貫禄には欠けますけど、しっかり雌たちを護っている様子。
一方のニンバスはちょっと頼りなさげなのです。
しつこく雌を追いかけ回す割には、肝心のところで勇気が出せないでいる様子。
寄ってくる犬にも今ひとつ、強く出られません。
餌場を見つけても、雌にあげてるのかなぁ??って曖昧な感じで自分も食べている。
雄でも色々いるんだなぁ~。
ニンバスは生まれた時から繊細だったもんなーなんて思っていました。(たぶん、アローカナ自体が結構繊細)
ところがある日の朝のこと。
アローカナ達を庭に放していると、ネロが出入りをする窓の真下、ニンバスがコケコッコー!!とそれはそれは大きな声で食べ物を催促。
ちょっとちょっとそんなバカでかい声で鳴かなくても。。。
耳キーンなるわァ、などとブツブツ言いつつ萎れた水菜をいくらか冷蔵庫から取り出し、窓からお裾分け。
すると、ニンバス、クックックッと言いながらすぐさま水菜を嘴につまみました。
しかし、それを飲み込もうとする様子なく、ずっと咥えながらクックックッと鳴いて雌のマイマイを呼んでいるのです!
そして声を聞きつけてダッシュして寄ってきたマイマイに、その水菜をそっと地面に置いて差し出したのです。
まぁ~~!!なんてジェントルマンなふるまいなんでしょう~~!!
感動して、私はブルっと震えてしまいました。
ニンバス、やるやんか!
窓から一部始終を観察していた夫も私も大喜び。
(何故かマイマイはその水菜を受け取りませんでしたが(焦))
ニンバスだって、なよっちく見えていても、ちゃんと雄鶏の役割を果たしている。
雄鶏として、成長しているんだなぁー、と感心しました。
↑まってぇ〜!マイマイを追いかけるニンバス
よく見ているとマフィンもやっぱり、餌を拾い上げてはメスたちに与えています。
バルブダンベルのメスたちは、行動がとても機敏で、マフィンがクックックッと鳴いて、餌を拾い上げるやいなや、走り寄り、ブンッと一瞬でその餌を奪い取ります。
その電光石火な様子は、見ていてとても愉快です。
↑餌を差し出すマフィン。とっても微笑ましい❤️
鶏の家族愛なんて言うと大袈裟かも知れません。
でも、オス達のこの素敵なふるまいを見るにつけ、なかなか他の動物には見られない、素晴らしいものを見せてくれるなぁと感じています。
雄鶏は、卵を産まない事や、早朝から大きな声で鳴くこと、そしてオス同士で激しい喧嘩をしたりと、その存在を好まれない事も多々あります。
ですが、群れに1羽雄がいると、外敵をいつも見張り、いざと言う時には立ち向かってくれるので、雌達は安心して暮らせます。
今回のような、雄と雌のふるまいの違いを観察するのも、また大きな楽しみです。
だから、やっぱり群れに雄がいると面白い。
たまにドジをしたり、メスに怒られたりもするけれど、今日も頑張れ、我が家の雄鶏たち!!
↑イメージ図