北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしの観察レポート‼︎

犬を巡る冒険2.*The Crufts 2013 〜記憶の中のイギリスの犬たち〜

私は、小学校2年から3年生の間、

イギリスのセントオールバンス”st.Albans”という

ロンドン郊外の小さな町に住んでいました。

とっても雰囲気の良い町です!町の魅力などは上のリンクをクリック!

 

木の塀に囲まれた芝生の庭にはリスが訪れ、

塀の下にハリネズミ、そして生垣の上にはコマドリ

近くの大きな公園、ベルラミュームパークには、

大きな湖があり、そこにはいつもたくさんの水鳥がいて

散歩を楽しむ人と犬の姿がありました。

 

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セントオールバンスにある、大きな池のあるベルラミューム・パーク(Verulamium Park.)心の故郷です。

 

当時は英語もわからない、話せない私が

イギリスの普通の小学校に突然転校したわけですが、

母にこれだけは覚えたい、と英語で習っていた言葉が

”Do you have any pets?”

「あなたはペットと暮らしていますか?」

というフレーズ。

 

生まれながらにして、動物が好きで、

犬や猫を飼っているお家に

お邪魔するのが下校後の楽しみだったのです。

今から思うと、返事もわからないのに

よく聞けたなぁと思うんですけど、

これが初日から大成功して、まずは長毛の猫(今思えばメインクーン

のいるニッキーの家に遊びに行くことができました。

 

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ニッキーの家の猫はこんな風貌の、猫でした。冬の陽だまりが、気持ち良さげ♪



いつだって動物への興味は易々と言葉の壁を超えるのです。

(もちろん今だって、老若男女、動物の話を始めたら止まりません^^;

最近は、昆虫分野にまで・・・)

さて、そんなお宅の動物見せて!作戦で、

お友達がどんどん増えていった私でした。

 

そんなある日、学校の近くの通りを歩いていたら、

きゃっきゃと外で楽しそうに遊んでいるクラスメイトの

ルーシー・エドワードとコリン・マンスフィールドを発見!!!

(ノンフィクションぽさが出るので苗字も。

たくさん友達の名前が出て来ます^^;)

 

ルーシーの家はこんなに学校の近くにあるの?

と思いつつ近づいて行くと、

そこで目にした光景に衝撃が走ります!!!

なんと二人の傍に、大きな大きなゴールデンレトリバー

楽しそうに遊んでいたのです。

そのレトリバーは紐に繋がれておらず、どこへ行くでもなく

子供達と嬉しそうに混ざっていました。

この光景と感激を私は一生忘れないと思います。

(当時はラブラドールもすっごく珍しい、憧れの犬でしたから!)

 

その優しい大きなゴールデンレトリバーは、

名をピーナッツと言いました。

ピーナッツは、本物のピーナツクリームより、

もっと白い綺麗なクリーム色でした。

(今の日本だったら、英国ゴールデンレトリバーって呼ばれているタイプ)

ピーナッツに惹かれて(目当てに?)、

それまではあまり関わりのなかった

ルーシーやコリンとも毎日のように遊ぶようになりました。

(現金なやつ!)

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こんな通りにピーナッツはいました

 

ピーナッツはすでにおじいちゃん犬で、

撫でるといつもぷーんと犬の匂いがして、

手のひらに白い粉がついたのを覚えています。

広い額はツヤツヤしていて、

唇は大きくって涎でビショビショな時もありました。

 

ルーシーの家の階段の下の薄暗い場所がピーナッツのベッドです。

外ではみんなと一緒に遊ぶこともあるし、

私たちがご飯の時には自分のベッドに入って寝ている、

そんなマイペースなおじいちゃん犬でした。

 

また、ピーナッツが繋いでくれた縁のコリンとは、

とっても気が合って、今でも彼女はベストフレンド!

コリンは、すごくゆっくり英語を話すのが上手で、

大人のワケワカメな早口な英語も、ちゃんと私に

伝わるように単語を区切ってゆっくり変換してくれるんです。

 

二人は、いつも粘土細工Fimoで

異様に長いソーセージドッグ(ダックスフント)を

作っては遊びました。

オーブンで焼いて固めた犬にニスを塗ってピカピカにすると、

粘土のソーセージドッグの目がキラキラ輝き、

毛もツヤツヤになり、

今にも動き出しそうなダックスフントが出来上がりました。

コリンが作る垂れ耳の犬はいつも風で吹かれたような、

動きのあるぺらぺらの耳をしていました。

 

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これがピーナッツじいちゃん。とっても穏やかな表情。。。今気づいたけど、私のTシャツもPeanuts(スヌーピー)!!!

 

小さい頃からそんな動物、特に犬オタクでしたから、

そんな噂を聞きつけて、シュウ、うちの犬も見にこない?

と声をかけてくれる子も居ました。ありがたすぎるお誘い。

 

リーサー・バーロウという子の家には、日本ではほとんど見かけない

ベアデッドコリーのおじいちゃんが居ました。

本当におじいちゃんで、

家の庭の芝生で寝ているのがやっとなくらいでした。

なので、直接的には関わりは薄かったのだけれど、

私がその後、イギリスを後にした直後、天国に旅だったとの

手紙が届きました。

だから、かなりの年齢だったのだと思いますが、

青い芝生の上で気持ちよさそうに太陽の光を浴びている姿は

とても幸せそうでした。

 

 

学年が一つ上のジェナ(苗字が出てこない)

の家には、片方が青い目をした綺麗なセーブルの

ボーダーコリーの、ティナがいましたよ!!

このティナはピーナッツとは違って庭で子供達が

遊んでいると、ふとした時にぐるぐると、

その周囲をまわって居ました。

子供達に愛想よく振舞うこともない。

今でこそ、それはボーダーコリーらしい習性だったんだと判りますが、

当時はなんかティナって絡みづらい不思議な犬、と思っていました。

でも、足が長くて、スレンダーですごく綺麗な犬でした。

片方の瞳だけジェナのお母さんと同じ、水色をしていました。

 

キャロライン・ヒューの家には、

スーキーと言う名の白黒のスパニエル系の犬が

預けられていることがありました。

知らない家だと言うのに、

人が激しく出入りする部屋のど真ん中で

デーンとお腹を出して寝ていました。

人間にはあまり興味はないようでしたが、

私はこの犬の落ち着きっぷりがすごく好きでした。

世の中への絶大なる安心感があって、満ち足りた様子でした。

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スーキーはこんな感じのスパニエルでした。この子は、車の中でちょっと心配そう?イギリスには、このタイプのスパニエルが多いです。

 

こんな風に、他にも猫や長毛ハムスターにもよく会いに行きましたが、

やっぱり犬たちの記憶が鮮明です。

(今でこそ、猫ももっと絡んどきゃよかった!)

 

ホリデーシーズンに泊まったカントリーサイドのB&Bでは、

ボーダーコリーとジャックラッセルテリア

お出迎えしてくれたことがとっても印象的でした。

人に全然寄って来ないジャックラッセルテリアが、

納屋の中の丸太の隙間に消えていったり。

 

また別のファームでは、

泊まる部屋に案内されて一息ついていると、

これまたジャックラッセルテリアが上機嫌で

サンドイッチをねだりにきたり。

お上品なバラ柄の、ベッドの上に土足で飛び乗る陽気な犬!

可愛かったなぁ。

 

人に媚びるわけでなく、

マイペースに楽しそうに生きているこの白い小さなテリアが、

ジャックラッセルテリアだと知ったのはいつだったのか?

とてもひょうきんで、可愛らしく、B&Bを訪れる度に

「ここにもあの白い小さい犬、いるかな?」とその姿を探しました。

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ベルラミューム公園でお行儀よく水鳥を観察中のジャックラッセルテリア

 

スコットランドB&Bでは、マンディという名の

とってもふくよかなMix犬が暖炉の前を陣取っていました。

(きっとまたジャックラッセルテリアのミックス)

何か悪さをしていたのか、

オーナーさんが”No, No,マンディ!!”

と諭すようによく言っていたので

そのフレーズが頭に染み付いています。

叱るでもなく、人間の子供に言って聞かせているような、

そんな落ち着いた口調だったのが印象的でした。

 

こんな風な、犬たちがお出迎えをしてくれる

イギリスのファームハウスのB&Bは、

この時から私の理想の暮らし、世界となり、今に至ります。

 

そして、こんな風に幼い私がイギリスで出会った犬たちは、

自由で犬らしく、とても穏やかでご機嫌でした。

オーナーが別段意識して

しつけやトレーニングばかりしている風でもなく、

むしろほっておかれているような。

犬のための生活があるというよりは、

人間の暮らしの中に犬たちが溶け込んでいたのです。

そんな暮らしの中の犬文化を、大人になった今、

もう一度この目で確かめたいと思ったのです。

 

 

続く。。。

 

 

<あとがき>

すごく長~くなりました!

私の、イギリスで暮らした経験、

そしてイギリスで見たこと感じたことは、

今、現在も私の核となっている特別な宝物です。

大切に胸に閉まってきたいろんな思い出を、

年月が経った今、忘れないように。

こうして少しづつ記していこうと思いました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!