北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしの観察レポート‼︎

黒猫ネロとの出会い

ネロは、2018年10月現在、

四歳の雄の黒猫です。

グリーンの瞳、陽が当たるとうっすら虎模様、

そして白い毛もところどころ

チクチクと生えています。

尻尾はとても短く、

先っぽはくるりと捻れています。

 

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ネロと出会ったのは、

2014年9月28日の夕方のこと。

豊頃町の雑貨屋さんから、

池田町経由でドライブしていたときに寄った

コンビニにネロは居ました。

 

もう、今は使われていないであろう

公衆電話のポールの影に、

ちいさな黒猫がジッとうずくまっていました。

 

あれっ、こんな所に子猫がいる!
と駆け寄った私に気付いた子猫はすぐに、

しゃがんだ私の膝の上によじ登ってきました。

なんて人懐っこい猫なんだろう。。。


ひとしきり撫でた後、お別れして

コンビニの店内に入ろうとすると、

その子猫は、ニャーニャーと大きな声で鳴いて

私の足にまとわりつきました。

 

なんとか足に絡むのをかわして、

自動ドアで店内に入り、おにぎりコーナーで選んでいると、

なんと、その子猫、あとから来るお客さんと一緒に

自動ドアを上手くすり抜け、

店内に入ってきちゃったではないですか!

 

そして、私を見上げてニャーニャーと、

また力いっぱい鳴くのです。

すぐにその子猫は店主に見つかって

追い出されてしまいましたが、

その後も店の外でその子猫はニャーニャー鳴いて、

出てくる人に食べ物をねだっている様でした。

 

よく見ると、ずいぶんやせ細った姿をしています。

誰かに捨てられて、ろくにご飯も食べられていないのでしょう。

その子猫は周囲に誰もいなくなるとまた、

あの公衆電話のポールの影で眠り始めました。

 

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そんな時もあったにゃ〜

 

「猫は天下のまわりもの」とは、

私の動物との暮らしの大先輩かつ友人の言葉。

猫と暮らしてみたいなぁと呟いた私に、

冗談めいて言われた言葉ですが、

ずっと頭の中に残っていました。

 

だからと言って、現実問題、

家の中にはモルモットもいるし、

庭には鶏もいるし。

猫と暮らしたことのある夫は、

小動物との折り合いを心配します。

動物たちの共生は無理かもなぁ。

パワフルな犬たちもいるし。

諦めの気持ちが大きくなりました。


だけど、店内から追い払われる時に

足で蹴られていたあの状況、

目が合うとすぐに駆け寄ってきた姿、

おにぎりコーナーの前で力一杯鳴いていた姿、

柱の陰でひとり眠る様子が思い出されます。

 

その後、私は目的地の牧場に羊を見に行っても上の空でした。

あの子猫が気になって気になって、

あの子猫のことばかり車の中で話しながら、

もう真っ暗になってしまった中、

私たちは家路につきました。

 

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来たばかりの日。痩せっぽっちだったにゃ〜

 

 

モルモット、襲うかなぁ?

鶏、襲うかなぁ?

犬達と面倒なことになる???

あの子猫が?

そうかなぁ?


あの猫なら、大丈夫な気がする。

うちの犬たちなら、言えばわかる気がする。

 

もしうまくいかないなら、

それからでも里親を探すことにしてもきっと全然問題ない。

人懐こいから、絶対に飼い主さんは見つかるだろうから。

子供にも触られていたから、どんな家庭でも問題なく馴染めるはず。

とにかく何とかしてみよう。

 

考えれば考えるほど、そういう気持ちが強くなりました。

と言うより、何より、私はすっかりあの猫のことが、

大好きになってしまったのでした・・・!!!

 

そんな気持ちが理屈では抑えきれないことに、

頭の片隅で気づき始めた時、

とうとう口にしていました。

「なんとかなるよ、あの猫なら大丈夫な気がする!!

もし、うまくいかなかったら里親さん探すから!」 

そんな私の強い説得で、

夫は車を来た道にすぐに戻しました。

 

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ダンボーガリガリだけは、話してもやめてあげないにゃ〜

 


「まだ、いるかな?誰かに連れられて行ったかなぁ?」

出会ったコンビニエンスストアに到着しました。

 

・・・あれ?


あの公衆電話のポールの影に、子猫はいませんでした。
お店の周りを探してみると、

あ!
いたいた!!

ホッとするのもつかの間、暗闇の中、

子猫はまた店主に近づいて、蹴飛ばされてしまいました。


蹴られて逃げる子猫を暗闇の中追いかけて、

探して、そして見つけた子猫を抱き上げたのは夫でした。

 

「もう大丈夫だよ。」


痩せっぽっちの子猫は、

その日からネロと言う名前になりました。

 

ネロとは、イタリア語で黒、と言う意味です。

水難救助犬の黒い犬をイタリア人のオジサンが、

ネーロ、ネーーッッロと呼んで、

それはそれは、たいそうかわいがって育てているシーンを

TVで見た事がありました。

一頭の犬が自信を持って育っていくようにと、

陽気に、朗らかに、溢れんばかりの情熱を注ぐ様子に、

私もあんな風に、この黒い子猫を育てるんだ!

と姿を重ねていたのです。

思い切り愛おしみ、

たくさん名前を呼んで、

たくさん触れ合って。

 

 こうして黒猫ネロは、私たちの一員となりました。

ネロ、ネロちゃん、ネロネロ、ニロ、二ー二ー、

今では、たくさんの愛称があります。

 

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そんなことより、夏のデッキは最高だにゃ〜

 

 

 

 

<あとがき>

先日、9月28日でネロと出会って丸4年が経ちました。

ひょんなことから仲間に加わったネロですが

今やすっかりムードメーカーです。

笑う門には福来る、がぴったりのネロ。

ちょっと抜けていて面白い。

たくさんの笑いをもたらしてくれる、我が家の招き猫です。

どんな人や動物にでも、最初に出会いのエピソードがありますね。

ネロとの偶然の出会いは、本当は必然だったのかなとよく思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます!