北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしの観察レポート‼︎

九死に一生

今月26日で14歳になる愛犬カイリーが、危うく虹の橋を渡ってしまうところでした。。。

一昨日の夜のこと。


胃捻転の一歩手前、胃拡張だったそうです。


胃捻転の恐ろしさは、身近にそれで愛犬を亡くした人もいて、理解していたつもりでした。

ですが、いざ症状が出てみるとそうとはすぐに判断できるわけでなく、もっと別の何かしらの病気かと思ってしまっていました。


胃捻転とは、胃がお腹の中でぐるりと回転してしまうこと。
そうなると胃の入口と出口で捻れた腸管が絞まり、胃からガスが出ていけず、身体中にその毒素が回ってしまい、死に至るという恐ろしいものです。

細身で、胸の深い犬に起きやすいと言うことから、コリー系のうちの2頭には要注意のものでした。
普段から、食後には激しく動かさないように意識はしていました。


いつも通りに夜ご飯を食べさせて、しばらくしてから、夫がカイの異変に気付きました。


その様子を整理してみると、

足取りがおぼつかず、ふらふらとしながらもドッグベッドに入ってしきりにクルクル回る。(落ち着こうとしているような)

後脚を折り曲げて座るものの、前脚を前に出せない様子で横になることが出来ず、また立ち上がりふらふらとよたつく。(これを繰り返す)

息はハァハァと速くて荒く、大きく口を開け涎がポタポタと落ちる。舌もダラリと垂れ下がり、しわしわになっている。

頭はやや下にさがり、目は虚ろ。目を細めているような時もあり。

身体はブルブルと小刻みに震え、痙攣のように大きく震える時もあり。

口はこわばって、開けにくそうだけれど、ごくたまにパクパクと大きく開ける仕草。

唇や、舌の色は血の気を引いて真っ白。

上から見た肋骨の辺りがいつもより膨らんでいる。

など、とにかくいつもと違う様子で具合が悪く、苦しそうです。

慌てて夜間の診察を動物病院に頼もうと電話しました。

ただ、その時は唇の色が白い事や横になりたがらないこと、息が荒いことを話しましたが。。。

この苦しそうな様子が伝わらなかったのか、夜間病院からは、それが何かしらの貧血によるものならば、血液を検査する必要があり、その検査は夜間だと出来ないそうで、朝の開院まで待っていつもの病院へ行くように言われました。


カイは、つい、3ヶ月ほど前に、前庭症を発症していたので、フラつきはそれが再発したのか、脳に異常が?と疑うけれど様子が少し違う。

とにかく唇が白かったので、それを心配して調べると溶血性貧血というものと症状が似ていました。

溶血性貧血と言うのは、なかなか治らない病気らしく、一年後の生存率もすごく低いということを調べて知って、大ショック。

もし、この病気だったら。。。と。
この病気でも、早期の治療が重要になってくるとの事で、もう私たちにできることは、ただ安静にさせて少しでも症状を悪化させないこと。

大好きな羽毛布団に乗せ、わたしにもたれるようにして横に寝かすとフッと力を抜いて横になる事ができたので、そのまま一緒に寝て朝を迎えました。

この時には、荒い息も少し治まり、眠ることができた様。
ただ、夜中に何度もハァハァと息が荒くなり、立ち上がる事もあり、その度に身体をさすって横に寝かせました。



朝イチで病院へ向かいます。夫も有休。

もう、すっかり溶血性貧血だと思い込んでいたわたしは、これからやってくるであろう別れを考えて、涙が止まりませんでした。

一緒に生きてきた年月、その思い出が走馬灯のように思い返されました。


結局、獣医さんに様子を話して、触診などされていくと、どうも胃拡張しているようす、と。
ガスが溜まってお腹が硬く、触ると痛がりました。

と、そこでハッとしたのです。

肋骨の辺りがいつもより膨らんでいたこと。

前脚を伸ばして横になることが出来無かったこと。

それをわたし達はそれまで重要視しておらず、そう言えば。。。と先生に伝えると、ならばますます胃捻転の手前の症状だと。

胃が捻転が何かしらで少し戻ってガスが口から出せたのか、少ししか回らなかったか、が幸いだったと。。。


なんて運の強い子なのでしょう。。。


もし、胃捻転だったとしたら、もう今頃はこの世にいません。
わたしが想像していたよりもずっと重篤で危険な状態だったのです。
九死に一生スペシャルです。


どんだけ痛くて苦しかったろうと思いました。
震えて、息を荒くして、耐えてたんだなぁと。
そんな中でも、わたしに身体を預けると眠ることも出来た。。。

もうね、これからは夜も一緒に寝ることにしようと思いました。

どれだけいつもそばにいたがってるかが、痛いほど伝わってきました。

犬は2頭になり、猫も増え、目をかけてやる事も減ってしまっていたけれど、この子はわたしと一番長く過ごしてきているのです。

一緒に海を泳ぎ、川で遊び、氷の上で釣りをしたり。フリスビーの大会も出たし、セミナーにも出たし。そう言えば、言うこと聞かなくて、悩んで悩んで、泣いていた日々もあったなぁ。

最近は歳を取ったからと一緒に出かけることも減っていたけれど、もっともっと、一緒に過ごす時間を増やそうと思いました。


結局、カイは病院でそのまま、もしもの時のためと検査のために半日入院となり、今後は薬と食事のケアで再発防止に努めます。

病院でたくさんお世話になり、スタッフさんにもかわいがられ、今日の診察はご機嫌、朝から体調も良さそうでした。

老齢のため、たくさんの検査が必要で、何かしら不具合は出ていて、完全に良い状態にはなれないのだけれど、これからはできるだけ張り合いがあって、快適で穏やかな生活ができるように、気を配って行こうと思います。



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ほんとに良かった。。。