ある晴れた5月の朝のことです。
窓から外を見ていた夫が
なんか変なやついる‼︎
と叫びました。
なに?!
同じく窓の外を見ると、そこには家の小道を
ヒョコヒョコと嬉しそうにして、こちらへ走ってくる黒い物体がいるではないですか!!!
あれは!!あのシルエットは!!!
それは最も家で遭遇したくない生き物でした。
全世界中の動物を、全て同じ大きさにしたら、最も強いだろうと言われる動物。
食物連鎖ピラミッドの頂点にいる、そう、あれですよ!
イタチ族ですよ!!
あぁ、とうとうウチまで来てしまったのですか。。。
黒い焦げ茶色したヤツは、よく見ると全身ビショビショに濡れていました。
家のすぐ側に流れる、用水路を泳いできたのでしょう。
一年くらい前、夫が通勤途中、近くの川でミンクが泳いでいるのを見た、
と話していたので棲んでいるんだな~、気をつけないとな、敵にしたくないなぁと思っていたけれど。
遂に川泳いで家の横の用水路まで、上って来ちゃったかぁ。
実はわたしなぁ、大学時代にフェレットと暮らしてたことあってなぁ。。。イタチ族も大大大好きなんよ。。。
な~んて呑気に眺めている場合ではあらへんで!
鶏の存在に気づかれたらお終い!!
養鶏家さんが、イタチに鶏を全滅させられた話は度々耳にしていたし、
ヤツらは遊びでやってしまうから、たちが悪いという。
最悪の事態を想像して、ぞぞぞーーっと血の気が引きつつも、うかうかしておれん、
一刻も早く追い払わなければ!!!
犬と外へ出ると、すぐに犬はヤツに気づき猛ダッシュで追いかける。
と、間一髪逃げたヤツは、スルリとウッドデッキの下に入ってしまった!
あらら、困ったことになったー!
薄暗いウッドデッキの下は、いろんな動物が隠れたり休んだりする、動物にとっては絶好の隠れ家。
面積も広いから、右から攻めても左に逃げられるわ、
左から攻めても、右に逃げられるわ。
さてどうしたもんかね。。。
夫と挟み撃ちでやるしかない!
っつーかさ、追い詰めたところでどうする?捕まえる?
生け捕りにしてどこか遠くの川にはなしにいく?
しばしの作戦タイム。。。
そうやな、逃げたって用水路がある限り、また来るし。
捕まえてみよう。
(って、この時、とっさに夫が持って来たの、虫取り網でね。
あとから冷静になって考えると笑えてしょうがない。)
まーそんなこんなで人間たちがワーキャーと騒いでおったら、我が家のヌシがのしのしと現れてね、
何を騒いどんじゃい、とずんずんデッキの下へ入ってっちゃった。
夫、左護り、わたし右守り、ヌシ真正面から攻める形に。
ちょ、危ないて、ヤツにやられるで!!
心配性のわたし、必死に引き止めるも、ヌシにはどこ吹く風。
ーーーそしてヌシとヤツは出会ったーーー
シャーーーーッ!!!
口を思い切り開いて威嚇するヌシ。
これはなんかまずいことになったぞと、奥に奥に追い詰められるヤツ。
どんどん奥に追い詰めて、ヤツはとうとう立水栓のところまで追い詰まった。
その、立水栓のところって言うのは、唯一デッキに穴が開けてあって、上からでも手が入る場所。(上の図をご参照ください☆)
よっしゃ、いい場所に追い詰まってる!!
と思った途端、上で待ち構えていたジュジュ(犬)が、その穴からガッと勢いよく顔を突っ込んだ!!!!
ギャギャッ!!!
低い叫びが聞こえた。
ヤツがまさかの上からの攻撃にかなりビビったのであろう。
で、次の瞬間…!!!
オェェェーーーーー!!!!
くっさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!
じぬぅ(死ぬ;鼻つまんでるからね)ーーーーーー!!!
何とも言えない刺激臭が辺り一面に広がる。
これにはさすがのヌシも降参!
一同、デッキ周辺からそそくさと退散。
これが噂のイタチっ屁ちゅーやつか!!
恐るべし!!!
それは目にきそうな位の悪臭でした。
こまったなぁ〜、これじゃ捕まえられへんやん!
万が一、虫取り網で捕まえたとして、絶対この一撃でやられてしまう。
作戦変更。
とりあえずは、家の敷地内から出て行ってもらおう。
また犬が追い詰めて、匂い爆弾くらわされるとたまらんので、
ひとまず犬は離しておき、人間だけでそーっとデッキの下から追い出す。
するとヤツは困惑しつつも、物置小屋に走り去り、
薪置き場の薪の間にそのスリムな身体でスルスル、ドロン。
(ここら辺で夫も職場へドロンしました。
わたしとイタチのタイマンが始まります?!)
忽然と消えたヤツ。
でもきっと薪の間に潜んでいる。
そうだ、犬に聞いてみよう。
ジュジュを連れて来て見ると、案の定ここ掘れワンワン、と言わんばかりに攻め入る場所あり。
よっしゃそこやな!!
わたしは積んだ薪を、どんどんよけるよけるよけるよける。
夢中になってよけまくったのに、全部よけたのに、ヤツの姿はみじんも現れず。
ほんとに消えた???
もう一度、犬の様子を見てみる。
と、薪置き場から奥の草原へと、しつように地面を嗅いでいる。
どんどん奥の草原に行きたそうだ。
ということは、逃げられたな。。。。
はぁぁぁぁーーーー
そらじゅうに転がった薪を見てげんなり。
これ、戻すのぉ?!
ヤツは相当手強い。
気を引き締めていかなければ。。。
その晩、夫は仕事から帰るやいなや、鶏小屋の気になっていた隙間を
コンクリートで埋めました。
To be continued...
□オマケ□
わたしが薪と格闘していたその頃。
臭いに参ったヌシは、かいり婆ちゃんとのんびり夢の中でした。
草の上は気持ちがいいニャンね〜♪