北の庭から、つれづれ生き物観察記

北の庭暮らしの仲間、犬、猫、鶏たちの奏でる愉快なハーモニー。彼らの暮らしの観察レポート‼︎

鶏小屋の冬支度②と、『動物がしあわせを感じる時』

昨年秋に下書きしていた記事が見つかりました(^^;

鶏小屋の冬支度からの繋がりとなっているので、記録がわりにアップしておきます。

 

↓↓↓ここから

 

 

風が強い日が多くて、寒さを理由に庭仕事が遠ざかる晩秋でした。

えっちらおっちら、冬支度。

 

今月頭にドカッと降り積もった雪はやっと溶けてなくなりました。

庭は球根も植え終わって、一安心。

雪が溶けたので、地面の落ち葉も集め、鶏小屋へザクザク搬入しました。


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※なにしてるの?と、野次馬ハリー。

 

ピートモスを敷いた上に、落ち葉をたっぷり。

去年のチャボ3羽から、今年は8羽になったので床材の撹拌も早くなると思われ。

まだまだたっぷり入れてやりたいところ。

 

乾燥する冬に向けて、この日は暖かかったので、ホースで水を撒きました。

冬の氷点下の気温の中、床の水分は凍結してどんどん無くなります。

そうなると地面は細かい土埃が舞うようになってしまいます。

それは鶏達の身体に良くないので、できるだけ落ち葉を敷き詰めて水分を保つようにしています。

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※新しい床に興味津々な鶏達。

 

 

床には、切り倒した胡桃の丸太を所々にならべて、冬の虫の棲家にします。

丸太の下に眠る虫は、冬の間の鶏の「おやつ」になるので、時々ころころと丸太を動かして、鶏達の退屈しのぎです。

虫たちよ、堪忍~。

 

どんな動物も、退屈が長引くと異常行動に繋がりかねないので、特に外で遊ぶ機会の減る冬の間は要注意なのです。

 

こう言った、動物の生活の質を上げるためのたくさんの情報がありますが、特にわかりやすく動物目線で書かれている本があるのでご紹介。

 

テンプル・グランディンという、自閉症であるからこそ知りえた、動物の感覚を研究した方の「動物がしあわせを感じる時」という本です。

 
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この本はとてもわかり易く、動物の情動(アニマル・マインド)の観点から「動物の生活の質」を上げるために私たち人間ができることについて、詳しく書かれています。

 

犬、猫、牛、馬、鶏、とそれぞれの種類の家畜について分けて書かれていて、特に今回は鶏の項は勉強になりました。

 

例えば、産卵鶏で深刻な問題となる、お互いの尻が禿げても肉が見えてもやめることのない、尻つつきや羽毛つつきに関して。

 

鶏の尻つつきは、時にはそれで死に至ることもある程激しく、鶏舎では深刻な問題になります。

様々な研究を経て、この尻つつきや羽毛つつきと言った異常行動は、鶏達の生理的欲求の捌け口であるとわかったそうです。(つまり、鶏個体同士の攻撃やいじめではなく)

おそらくは、探索の代わりか、探索の対象が他の鶏に向けられるため、とされていました。

 

例えば、寝藁で飼われている鶏は、羽毛つつきが明らかに少ないことが解っており、これは羽毛の代わりに地面の藁をつつく事ができるから、という訳です。

 

また、あさる行動(探索)が生まれつき多く、活動的な鶏ほど、深刻な羽毛つつきをするケースが多いそうです。

それはつまり、鶏の暮らす環境を整える事で減らすことが出来る問題という訳です。

 

例えば白色レグホンに、簡単な紐のオモチャを与えると、羽毛つつきが減るそうです。そして、このオモチャにずっと飽きることもないそう。

 

と、言うように、動物達には、探索(あさる、探索する、捜索する、探す、etc)という欲求があり、それを満たしてやる事で生活の質QOLを上げることができる、と述べられていました。

 

動物と暮らすとき、その動物のことをよく理解すること。

Think like Canine.

犬の頭になって、考えてみよう。

 

これは私が犬のトレーニングでいろんな迷いがあったときに出会ったフレーズですが、この、理解すること、と言うのがなかなか難しく、時に人間都合で動物を擬人化して見たり、無理な要求を押し付けてしまうことがあります。

 

つい、身近にいるから、いつもそばに居るから、わかった風なつもりになるけれど、動物はその動物としての物事の捉え方、感じ方を持っているという事。

もちろん、相手を100%理解するなんて、人間同士でも無理なことだけれど、理解しようとする姿勢が大切なのではないかと思います。

 

この本は、動物達の言い分の根拠をわかりやすく示し、具体的に出来ることなどをハッキリとした言葉で示してくれる貴重な1冊となりました。

動物に関して、視野が広がります。

 

また、面白いのが英題。

Animals Make Us Human. 

となっています。

どういうこと???

動物が、私たちを人間にする。

つまりは、人間であるからこそ、動物にしてやれる事がある、という事を意味しているのかな。

するべきことがあるって言うことかも知れないですね。

ニュアンスはわかるのに、なかなか言葉にするのが難しいなぁ。

 とにかく、この本を読むことで我が家の動物達との暮らしを省みるきっかけになりました。

みんなでのびのびと過ごし、それぞれその動物の持ちうる能力を発揮して、助け合いながら暮らすのが私の理想です。

 

犬や猫の章もとても興味深かったので、また折々まとめたいと思います。

図書館で借りてきた本だけど、本当はいつも自分の本棚に置いておきたい1冊です。